現場 7 桑野の住宅(Nハウス工法)新築工事 | |
お施主様は市内に設計した私の住宅を見て、私に設計を依頼されたと・・・・・
当初はご両親の住む住宅のリフォームのご相談を受けたと記憶しています。良い材料で創られ住宅でしたが耐震診断で改造する事が不可能である事が判明し、その住宅を残し道を隔てた敷地にご両親の終の住いを建てることになりました。無事完成しご両親が幸せに暮らせるよう工事監理を行います。
その状況写真を説明文と共に掲載しますのでご覧下さい。
工事概要
工事名 桑野の住宅 新築工事
工事場所 徳島県阿南市桑野町
主要用途 専用住宅
構造規模 木造(Nハウス工法)瓦葺き平屋建て 延べ 73.10m2(22.11坪)
工期 平成27年8月~平成28年2月
施工者 (株)桑野建設
現場監督 大羽 雅之
設計監理 中飯賀業建築研究所 中飯賀業
設計図 | |
平面プラン
老夫婦二人の終の住いです。
将来の介護やお施主様の訪問時に使用する和室が計画されています。
バリアフリーを確保する為にスロープから寝室へと繋がる
木製のデッキが設置されたプランです。
エレベーションは玄関周りに杉板を使用し
他は白色の壁で仕上る予定です。
この地域にマッチし、
工事写真 | |
縄張りの状況
建物位置と建物高さ(設計GL)の確認と決定を行う。
西側より
東側より
近くの山の水が大雨の時流れてくるので出来るだけ高く創りたいお施主様。
日々の生活を重視した時に出来るだけ地面に近く創りたい設計者との
せめぎあいで高さが決定された。
砕石工事
西側より
砕石の上に防湿シートを敷きこの上にステコンクリートが打設される。
建物高さは遣り方(建物隅にある木組み)より15cm上が床の高さとなる。
ステコン打設状況
基礎墨出し状況
捨てコンクリートの上に建物の位置を黒墨で表示しています。
このラインに沿って型枠を設置し基礎工事を進めます。
基礎墨出し状況
東側より
ベタ基礎の外側の型枠が完了し
鉄筋が現場に搬入されました。
搬入された鉄筋のJIS規格の確認写真
鉄筋にBBと刻印のあるので正規品です。
写真右側より基礎配筋を始めている状況。
東側より基礎配筋状況
西側の基礎配筋状況
ベタ基礎の地中梁下部に多くの配筋を入れているのは
私特有の配筋方法です。
力学的にこの部分に一番建物の軸力がかかる部分です。
使用できなくなった短い切れ端の鉄筋を入れて補強しています。
基礎配筋検査を行いました。
配筋の間隔や位置を確認しました。
設計図通り綺麗に配筋できていて合格です。
ベースコンクリートの打設を承認しました
基礎ベースコンクリート打節状況
小規模の基礎なのでポンプではなくレッカーにて打設しています。
打設しているコンクリートの伝票です。
普通コンクリート強度21を確認しました。
コンクリート打節状況
3人の職人さんがバイブレーター等を使用し丁寧に打設しています。
基礎ベースコンクリート打設完了状況。
東側より
基礎立上りの型枠状況
基礎立上り部の鉄筋のかぶりを確認する
配筋検査を行いました。
基礎立上りコンクリート打設完了状況
基礎上端にアンカーボルトが埋設されています。
基礎型枠から出ている鉄筋は建物廻りに設置される
犬走りの差筋です。
工事はやり難いが後打ちアンカーより強い。
基礎の型枠が外された東側の状態
水が溜まる位に綺麗に打設出来ています。
西側より
東側より基礎埋め戻し状況
手前に作業しているのはウッドデッキへのスロープです。
北側埋め戻し状況。
この面は犬走りコンクリートが有るので
基礎より鉄筋が生えています。
南側埋め戻し状況とウッドデッキ下コンクリートの
型枠と砕石状況です。
西側より埋め戻し状況
木材検収状況
建設会社の加工場に梁材が搬入されました。
寸法等確認をしました。
赤身の多い綺麗な木材が搬入されていました。
大工さんの右側に見えるのはタイコ丸太です。
リビングの中央に取り付けられます。
雨が降ってプールのように基礎に水が溜まっていました。
これだけの基礎なら2.3箇所くらい水が漏れる場所があるのが普通ですが
この水はコンクリートの養生に良いので除ける必要もありません。
建物廻りの給排水管埋設工事状況
屋外給排水配管状況。
配管が完了すれば砕石工事を行い土間配筋を組み立て
犬走りコンクリートを打設します。
工期を短縮する為に建て方前に行っています。
浄化槽埋設工事。
大きな穴が掘られています。
建物南側の犬走り工事。
この上に木製デッキが設置されます。
木材きり組の状況。
手加工で進められています。
正面のタイコ梁はリビングの中央部に架けられます。
梁端部の雄のアリ加工
金物で外れないように補強はしますが
台形になった凸部分で強固に固定されます。
木造建物の命の部分です。
機械加工(プレッカット)より手加工が優れていると言われる部分です。
カマ継ぎ
建物が長いので梁をつなぐ部分です。
この継ぎ方も雄と雌からなります。
大昔からの伝統工法です。
屋外立ち水栓設置状況
犬走りコンクリート打設状況
犬走りコンクリート打設完了状況
綺麗に慣らされています。
線の様なものはクラック誘発目地です。
作業場に壁落とし込みの板が搬入されました。
乾燥、本実加工された製品で納入されます。
本実加工されて規格はB種(死に節等の穴がない)
穴が空いていると隙間風が入ってしまう。
屋根部分の垂木及び落とし板の原寸図です。
切組加工が終った梁材
シートを掛け雨露にさらされないよう養生しています。
長さをカットされたNハウス工法の縦落とし込み板。
基礎に土台が設置された状況
柱と壁の落とし板取り付け状況
丁寧に組み立てられています。
現場にレッカーと梁材が到着しました。
現場が狭いので必要な梁材から順番に搬入されます。
柱と落とし込み板の設置が完了した状況。
足場の上から柱と落とし込み板の状況
柱の長さより少し長い落とし込み板が
上に設置される梁に埋め込まれて落とし込み板が完成します。
板は四方に囲まれ一枚の壁になり色々な外力を吸収し
建物を守ります。
建て方
梁の設置状況
縦横順番に設置されていきます。
軒の高さまで建て方が完了しました。
屋根の垂木が取り付けられ
建て方は完了です。
西側より
東側より
これより屋根の仕舞と筋交いの設置工事が平行して進められます。
屋根工事の状況
軒先の仕舞から進めています。
鼻j隠し、破風が設置されています。
破風が取り付けられると家らしくなりました。
屋根の垂木の状況
野地板が断熱を兼ねた30mmの厚みがあるので
垂木は95cm間隔に柱のような大きな垂木です。
小屋組の状況。
右上の梁がこの家で一番大きな断面です。
小屋組の状況
LDK上部には化粧のタイコ丸太が使用されています。
野地板が張られた状況。
北側の野地板工事が完了しました。
玄関靴石設置状況。
南側野地板張りの状況。
野地板針の状況。
本実加工された杉30mmの板を一枚づつ丁寧に張り付けて行きます。
完成すれば大きな一枚の面になり地震力などの外力を
建物全体に分散させる役割を持たせている。
野地板針の状況
下から
板が張られると内部は完成に近づきます。
野地板工事が終わり
屋根の防水シートが設置されました。
もう台風等が来ても屋根からの漏水はありません。
西側から
屋根の下地工事が終わり
内部の床組み工事が始まりました。
和室部分はタタミの厚さ分だけ
下げて大引きが設置されています。
屋根下地工事が完了した南側軒先部分。
お施主様の希望通り通常より大きな庇になっています。
現場全景
軸組金物工事が行われています。
柱と筋交いの端部に金物が取り付けられています。
南面
北面
北面
西面
金物検査を行いました。
内部では電気工事の配線工事が始まりました。
和室の床組み状況。
この上に30mmの杉板を並べて畳を置きます。
屋根の瓦葺き工事が始まりました。
屋根の上に並べられた屋根瓦を不良品が無いか確認しています。
棟はとばされないように最近は金物を使用する乾式工法です。
最近は地球環境の影響で竜巻等があるので土葺きで不安です。
アルミ窓が取り付けられました。
洗面便所の小窓には防犯の為格子が付けられています。
内部から
アルミ窓の枠が見えないように取り付けられています。
スッキリきれい。
和室南側アルミ窓枠設置状況
リビングと寝室のアルミ窓枠設置状況
瓦の軒先の状況
長い軒先
仕上がりが楽しみです。
筋交いはNハウス工法の縦落とし込み板にビスで固定されています。
板と筋交いが同時に働くハイブリッと構造になる。
Nハウス工法のたいへん重要なポイントです。
屋根工事完了状況
東側から
西側より
いぶし瓦が光をあび輝いています。
屋根と壁の取り合い部分
捨て水切りの上に瓦を葺きのしで仕舞をした上に
水切り鋼板で雨仕舞をしています。
床下地状況
この大引きの上に直接40mmの杉板を張ります。
浴室の配管状況
便所の配管状況
床板張り状況
床板は杉厚さ40mm本実加工材です。
床張り完了状況。
床養生状況
杉板は工事中にキズ等が入りやすいので
このように合板等で全面養生を行います。
便所の床はタイルで仕上ます。
下地合板の状況です。
寝室の押入とCLの状況
棚と中段、ハンガーパイプを取り付けたら完成。
勝手口の状況
床と巾木のタイルを貼れば完成。
外壁下地の水切りと防水シート施工状況
巾木の通気水切取付状況
内部に防鼠の網が取付られている。
防水シート張り付け状況
南側
防水シートは下から上に重ねて張上げます。
北側防水シート施工状況
台風時にはこの防水シートが壁からの漏水を防ぎます。
現在の木造建築では大変重要な工程になります。
将来庭が予定されている空間
右側の梅の木と大きな青石を動かさず利用して
この状況から十分美しい庭が出来ると思います。
外壁防水シート完了の検査状況
東側
北側
南側
西側
中央と左上に見える壁から出てきている梁の付近から
漏水事故が過去にありました。
周囲に防水テープを施すよう指示を行いました。
廊下の天井下地
便所床のタイル下地
洗面脱衣室内装
水の掛かる腰の部分はメラミン化粧板で仕上ました。
左側浴室の入り口部分の床はタイルで仕上ます。
種寝室の天井下地状況
穴の部分は埋め込みのタイプの照明器具の穴です。
押入の内部状況
左側が押入で右側はクロークです。
玄関の仕上げ状況
床のタイルが貼られ、壁は下地塗りの状況です。
LDKの内装下地状況。
合板部分にはキッチンが取付けられます。
キッチン以外の壁はホーロー鋼板で仕上られます。
その廻りは下地塗りの状況です。
和室の下地塗りの状況。
左側より仏入れ、床の間、押入です。
下駄箱は大工さんが製作しました。
天板は桧で箱は杉板の無垢材です。
頑丈に作られているので永久に使えるでしょう。
杉板の扉が取付けられて、天板をウレタン塗りで仕上て完成です。
外壁の胴縁が取付けられた状況。
東側より
外壁下地の状況
軒部分
壁から出ている桁や母屋の廻りが重要な部分です。
この部分からの漏水事故が多い。
廻りに胴縁を施工してもらいました。
LDK上部のロフトの状況。
落下防止手摺を施工しています。
便所の床タイル貼り状況。
浴室入り口の床タイル貼り状況。
廊下から勝手口の仕上げ状況
左側にタオルや下着を入れるロッカーが取付けられている。
外壁張りの状況。
二人一組で施工しています。
一人が切断し一人が取付けています。
外壁張りに先立ちコーナー部分には外壁と同材の
コーナー約物が取付けられています。
LDKの漆喰壁が仕上られた。
木とのコントラストが美しい。
和室の珪藻土塗りが仕上られた。
お施主様の要望で横線の入ったコルク仕上げ。
節のある杉の造作にマッチしている。
主寝室の天井が仕上られた。
ペンキ仕上のようなクロス貼り。
廊下の天井も仕上がった。
ペンキ仕上のようなクロス貼り。
廊下の天井も仕上がった。
ペンキ仕上のようなクロス貼り。
ペンキ塗りより綺麗かも
脱衣室の天井は杉板張り。
定番ですがこれより良い仕上はない。
外壁工事が完了。
玄関脇は杉板で仕上られている。
デッキへのスロープ。
滑らないように60角の角材を並べたデザイン。
コンクリート部分床を斜めにして合わせ
ステンレスの手摺が付けば仕上がり。
お施主様の要望で拾いデッキ。
前に生垣を植栽されたら仕上がり。
外壁工事が完了し
外部の設備機器を設置しています。
内部が仕上がり状況。 | |
玄関
玄関ホール
下駄箱は大工さんが製作し
建具屋さんが扉を取付けました。
玄関よりLDK
廊下
LDKから玄関ホール
和室6帖
天井が無く開放的な空間になっている。
和室6帖目線の状況
和室6帖
左側が床の間
LDK
キッチンはコーナー型を採用した。
流し右側に冷蔵庫が置かれる。
LDK上部空間
LDK入り口部分
杉の無垢材のガラス引き違い戸が美しい。
LDKの上部ロフトの状況。
3.5帖の大きさ。
和室側からLDK
木材と白色の漆喰壁が美しい。
寝室側からLDK
中央部のタイコ丸太が空間を引き締めている。
種寝室
壁は落とし板のままで仕上ている。
種寝室デッキ側
洗面脱衣室
汚れが予測される部分はメラミン板
その他は杉板で仕上られている。
便所
杉板で囲まれた壁に設備機器が設置されている。
お施主様の要望で床はタイルで仕上られている。