この建物は剣山見ノ越の登山口にある公衆便所である。以前から同じ場所に公衆便所が建てられていたが古くなったので改築することになり、私の事務所が公共入札で落札し設計をする事になった。解体された以前の公衆便所は鉄筋コンクリートで作られていて十分使用できる状態であったが、時代に合った洋式便器化が不可能であり、浄化槽が法律に合わなくなった為に改築されることになった。落札してから解体される既存公衆便所を調査した時に屋根に素晴らしい苔がはみ周囲に溶け込む姿は建築家としては屋根をそのままに出来ないかと思うほどであった。当初は剣山をイメージした円錐状の植栽屋根を提案したが徳島県の担当者に受け入れられず無駄なものを極力削り取った現在のデザインとなった。屋根は以前の建物と同じように将来に苔がはむように同じ仕上げとした。当初徳島県は木造として計画していたが建設場所は湿度が異常に高いので木造では無理と判断して鉄筋コンクリートで県産材の杉板を型枠に使用して風景に溶け込むようにした。工事監理は徳島県の若い女性の監督員が行ったため設計とは少しイメージが変わったが良い公衆便所が出来たと思っている。

 

 

平面プラン

 

 

エレベーション

 

 

 

 

 

 

 

道路側から遠景

 

 

 

 

 

登山口側から遠景

 

 

 

 

 

北面

バス停の待合用のベンチが設置されている。

 

 

 

 

 

道路側から

無駄なものを極力省くデザインとした。

壁の部分は内外とも県産材の杉型枠の打ち放し仕上となっている。

 

 

 

 

 

 

正面

裏側の山の木が覆いかぶさる

 

 

 

 

 

玄関

正面が弱者用トイレ左側が女子トイレ右側が男子トイレ

 

 

 

 

登山口側から

午前中は写真のように逆光となる

 

 

 

 

 

 

 

 

入口部の手洗い

杉板打ち放し壁に白い衛生器具が美しい

 

 

 

 

男子便所

無駄な物を極力省くデザインとしている。

 

 

 

 

男子便所

 

 

 

 

男子便所

 

 

残念だが女子便所撮影が出来なかった。

よく出来た公衆便所になったが少し残念なのは打ち放し型枠の方向が

設計は縦方向にしていたが、横方向になってしまったことだ。

 

写真を自分で撮ったので実物より悪くなっているのが非常に残念で

いつも思うが気を付けているつもりだが

いつも写真が何故が左側に傾いている。

 

工事を施工した建設会社及び職人の皆さまと

徳島県の美人の監理者に感謝します。

有難うございました。