この設計のテーマは御夫婦の終の住いです。お仕事を退職し子供も巣立ち二人だけの楽しい老後を過ごすために建てる住宅です。最初の顔合せの時、御主人は私のホームページの端から端まで見るだけでなくプリントアウトして持っていました。それを見て私は感動し最高のものを作ろうと決意し仕事にかかりました。平屋を希望し屋根裏にロフトを持つ纏まりのあるプランを見せていただき、建築家としてもっと良いプランをと練りましたが、敷地は角地で住宅としては難しく、基本的にはお施主様の御要望をほとんど満足しているお施主様の間取りを初めて採用することとしました。Nハウス工法の住宅としてお施主様の御期待に沿えたと感じています。
工事概要
工事名 中庄の住宅 新築工事
工事場所 徳島県阿南市羽ノ浦町
主要用途 専用住宅
構造規模 木造粘土瓦葺き2階建て 延べ120.50m2(36.45坪)
工期 平成30年10月~令和元年5月
施工者 Woody Oen 武田 仁志
設計監理 中飯賀業建築研究所 中飯賀業
平面プラン
外観 | |
南面
田園風景の広がる南側は日当たりと通風を一番に大きい窓を並べている。
左側から方丈、リビング、キッチン
大きな庇が夏の日差しをさえぎる。庇とデッキを一体としたデザインである。
南西側より
建物の南側の庭は家庭菜園となっている。
取れた野菜をそのまま料理出来たら美味しいと・・・・
南面
デッキを覆う庇があり、木製デッキは家庭菜園へとつながっている。
南東面から
大きな庇は柱2本で支えるオリジナルなデザインにした。
南東面
南面は白壁で東面は木の壁にしたハイブリッドなデザイン。
目隠し塀も同じ木で造っている。車に壊されないよう下部はコンクリートとしている。
東南面
大屋根に木の壁が似合うデザインで、屋根の流れのライン、縦に張られた壁のライン、
板壁の横のラインが特徴的である。ほぼイメージどうりに仕上がった。
東面
建物中央が玄関、左側がキッチン、右側が和室となっている。
キッチンの窓には目隠しの木製紀州格子を付けている。
アプローチ
目隠し塀が手摺代わりとなる。
玄関
究極のバリアフリーを目指し段差はない。
道路からスロープが続き、部屋の中まで段差無で設計した。
玄関右側はスロープになってるが雨天の時に便利な屋根付きの駐車場である。
玄関前
大屋根を延ばし屋根付きのスロープ兼駐車場を実現させた。
東北面
木の壁の東面と白壁の北面のハイブリッドなコントラストが美しい。
北東面
駐車場は角地であるが3台を確保している。
北面
道路面であるが建物の裏にあたるためコストを抑えた仕上げとしている。
湯沸し器は軒下に、中央部のトイレの窓は目隠しの木の紀州格子をつけている。
上は屋根裏小屋の窓、台風時のためシャッター雨戸を付けている。
東側遠景
南側遠景
田園の中にある良い住宅に仕上がった。
1階内部 | |
玄関、ホール
玄関の上部は天井がなく廊下から白い天井を設けたデザインとしている。
床は段差のない仕様となっている。
正面に花台を設けている。
玄関、ホール見返し
左側に作りつけ下駄箱、右側のLDKまでフルフラット床が続く。
玄関ホールからLDK
LDK
LDLは大屋根の大きな吹き抜けとなっている。
四季を出来るだけ通風で過ごすため、電動の高窓とサイクルファンを設けている。
左側にキッチン、右側が方丈と寝室。
リビング方丈寝室側
方丈とは南側で繋がっていて2階に上る階段が見える。
階段の手すりは杉材を使用し親柱にはオリジナルの球が設置されている。
階段下物入
段板を活用した物入れや引き出しをデザインしている。
LDK入口側
左側の木で組まれた廻り階段と右側の白を基調としたキッチンの
デザインでメインのリビングを仕上た。
白色のサイクルファンとライン状の照明器具のシンプルさが
木の空間にアクセントをつけている。
リビングからキッチン
屋根を受ける上部の平行弦トラスがリビングとキッチンの空間を仕切るデザインとしている。
キッチン
前庭の家庭菜園が一望できる。
キッチンからリビング
キッチン
白色を基調として汚れやすい部分はメラミン樹脂板で仕上られている。
左側はシステムキッチン、右側の低い引き出し式の食器棚は作り付けている。
リビングからキッチン
和室入口部分から
大きな茶室をイメージしてデザインした。
和室
左側から押入、佛入れ、床の間
天井の半分は板張りで半分は大屋根の野地を見せている。
障子窓が中連(腰窓)になっているのは床の高さが外部と内部が同じになっているためで
建物の耐久力を確保するため基礎を高くしている部分だ。
窓の下を書院のようなイメージでデザインした。
方丈(書斎)
右側の本棚の後ろが寝室となっていて上部は光を通すためつながっている。
方丈から寝室
寝室
正面はクローゼットと押入
寝室見返し
仕切り壁の向こうの方丈上部の高窓から冬季は日が差し込む設計となっている。
登梁を兼ねた垂木の下部に設置されたライン状の照明が空間にアクセントをつけている。
寝室入口側
階段下の半分はこちら側からの格子状の物入れとしている。
便所
床と壁が杉板で天井は白色塗装で仕上ている。
木と白色を基調としたデザインである。
洗面脱衣室
汚れやすい部分の壁は白色のメラミン樹脂板でその他は杉材で仕上ている。
脱衣室は住宅の中で一番調湿効果が必要な場所で杉板が最も有効である。
1.5坪と少し広めにして天井には電動昇降式の物干金物(干し姫さま)を設置している。
浴室
ユニットバス16:16を採用している。
2階内部 | |
2階屋根裏部屋
大屋根の屋根裏を使った山小屋風の室としている。
お孫さんが泊まりに来るのを楽しみにしていると言っていました。
実現し気に入ってくれるよう願っています。
2階屋根裏部屋見返し
棟木の下に付けられたライン状の照明器具が今風である。
2階屋根裏部屋
作りつけの本棚と扉の向こうは屋根裏納戸となっている。
2階バルコニーからLDK
回り階段からLDK
お孫さんが泊まりにくるのが楽しみになれば・・・
Nハウス工法オリジナルデザインの建築を建てるには優れた技術と忍耐力を要します。
建築に携わったWoody Oenの皆様、他下請け業者の皆様
お世話になりました。
お陰で素晴しい住宅が完成しました。