作品№9　鳴門の住宅　　撮影　幸田青磁

２階平面プラン

２階は二つの子供室からなります。左側はバルコニーと天窓を持つ子供室で右側は屋内に天窓のついたバルコニーを創りました。 両方とも小屋裏を表した低い斜めの天井で、隣接するリビングの吹抜けに大きな窓を持っていて換気と冬期の暖房に使用する薪ストーブの温かい空気を入れるように計画されています。

 １階平面プラン

変形した敷地を利用したようなプランで、北側の古い城壁のような石垣をデザインに取り入れました。敷地入り口部分に、両親の住宅があり接続されています。細い敷地入口から入ってくるのを受けるように平面計画をしました。通風と薪ストーブで過ごせるように全ての室が２方向に開放されています。

南側からの外観

一枚の大屋根を連続した高い柱で受けています。左側の突き出た部分が寝室です。右側の低い屋根の部分が玄関です。ＬＤＫの前には大きな木製デッキがあり内部と外部をつなぎます。ＬＤＫの吹抜けの部分に連続した飾り窓が付けられています。全面杉厚板重ね張りの外観は圧巻です。

 アプローチ

ポーチは将来を見こしてスロープで出来ています。外壁のデザインに合わせて木製のドアを創りました。

 木製デッキ

デッキの板は斜めのデザインです。高い大きな庇は軒下の広さと室内の明るさを確保します。軒下に連続して付けられたスクエアの飾り窓は照明が内蔵されて夜には照明器具に変わります。私のデザインですが照明デザイナーの宮城久典氏の協力で実現しました。

 玄関

腰板と下駄箱が一体にデザインされすっきり見えます。正面目隠し壁の小さなスクエアの穴はこの建物に共通したデザインです。新築当時は杉の木材が華やかに見えますが、10何年後の今は飴色になりコントラストが上品に感じます。

 玄関見返し

大きな窓で明るい玄関です。全て無垢の木材で仕上げられていて壁のしっくい塗と良く合っています。

 廊下と城壁

城下町で城壁と思われる石垣が敷地の裏側にあり、城壁の高さがほぼ窓を覆う高さなので目隠しに利用した。古い蔦やコケが楽しめれるように大きな窓を創りました。植物の間からこぼれる北側の光は落ち着きを感じる。

 キッチン上部

キッチンの天井を高くして外で料理を作るような開放感を持たせた。

 キッチン

キッチンはお施主様のご要望で独立したプランとなっている。南側に窓と出入り口があり家事空間を外につなげている。日当たりの良い明るいキッチンは楽しく料理が出来るのでおのずと美味しくなり家族が幸せになる。これは幸せの方程式の一つです。

 キッチンからダイニング

お施主様のご要望でキッチンからダイニングへと料理を運び出す食堂のような配膳台と窓が付いている。

 茶の間からダイニング

ダイニングの向こうにキッチンが見える。ダイニングは茶の間を挟みリビングンと吹抜けもつながっている。

 リビング

この写真で建物の仕組みが分かります。吹抜けを持つリビングとダイニングの中央に茶の間がありその上に子供室とバルコニーが付いている。複雑にくまれた木材をしっくいの白壁が引き立てている。

茶の間下の収納

 屋の間の障子は夏場の必要のない時は床下に収納します。

 薪ストーブ

この大型の薪ストーブが家全体を暖房します。薪ストーブの掃除や薪の取り入れのためストーブ横に窓があります。

 寝室から客間

手前が寝室で奥が客間です。開け放して使う事も出来るようになっています。右側の引戸でリビングとつながっています。ランマはシンプルな連子格子としました。客室の窓は全て地窓として上部を押入収納としています。

便所

広めの便所に手洗付のカウンターを付けています。この便所は緑と赤の原色を使っています。引戸の入口部に縦長の手摺を設置しました。 

２階子供室からリビングの見下げ

リビングにはアクセントとして付けられた丸太の大黒柱を巻くように２階に上がるシンプルな階段が架けられています。 

 ２階ホール

リビングの上に二つの子供室をつなぐブリッジが架けられています。２階部分の高さはリビングの高さを１．５階にするため抑えられています。四角い明り付の小窓が白壁に均等に連続したデザインです。吹抜けにはサイクルファンが付けられています。

 子供室　１

この部屋は茶の間の上に有り室内にバルコニーがついています。この部屋はリビングの吹抜けが外部のようなイメージで創りました。高さがありプライバシーも確保されています。左側にバルコニーが見えます。

 室内バルコニー

日当たりを確保するためバルコニーの斜め上に天窓がつけられています。その天窓は手動で開閉するため開閉や掃除の目的でバーゴラのようなすのこ床がつけられています。この風景は日本の住宅で見ないでしょう。

 リビング上部

リビングの天井は丸太が組まれてワイルドな仕上げとなっています。薪ストーブの換気用に電動天窓と空気をかき混ぜる為にサイクルファンが付いています。このような小屋裏の露出している建物は雨漏りやシロアリ等の虫害から未然に守れるので高寿命であると考えています。

 子供室　２

この部屋は南側の屋根に天窓がつけられている。右側に見える窓の外には木製のバルコニーがつけられている。ペントハウスのような部屋です。

敷地アプローチから夜景

この建物はこの角度からをメインにデザインしました。夜景で見にくいのですが右側に駐車場がありその奥に屋外の物置がありその奥に既存建物へと続く廊下部分がデザインされています。連続した明かり窓が建物をより長く大きく見せています。私はこの角度が一番好きです。

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